Erichへの手紙

終った。
ようやく終ったよ。エリック..。
長かったな、本当に。

最後のケリだけは自分でつけることができたんだ。
だけど、その後に感じたものはなんだったと思う?

最後の戦闘が終って2人で飛んでいるときに、フィーの姉さんがいうんだ、
私にはもう何もないって、だけどそれは俺も一緒なんだ。
もう、俺には本当に何にも残っていない...。

ニューコムに移籍してまもなく、フィーも何かの陰謀に巻き込まれて死んだ。
最後にはレナもディジョンまでも俺の手にかかって死んでいった。
俺が墜した機も、もう数を覚えていられないほどになってしまった..。

そう、唯一俺に残ったものがあるとすれば、
それはこの血にまみれた手だけだ。

たくさんの血が流れて、たくさんの人がそれ以上にたくさんのものを失った。
だが一体何が変わったって言うんだろう?

確かに今までの力の3極はそれぞれに痛手を負い、勢力を弱め、今回の紛争は
終焉を迎えた。しかし、人間は何も変わらない。
これからも争いが無くなることはないだろう。

いみじくもディジョンが革命の中で言っていたとおり、人間の欲が無くならない限り
この世から争いが消えることはないんだ..。

あの時...、
あの時おまえを手にかけてまで俺が手に入れたかった未来ってのは
こんなものだったんだろうか?

こんなこと言うとおまえが浮かばれないってのはわかってる。
だけど、今は良くわからないんだ。
あの時の俺の選択は本当に正しかったのだろうか?

...。

この先また必ずどこかで紛争が起こるだろう。
今の世界にはそれを押しとどめるだけの力はない。

そして、そのたびに俺は戦場の空を飛ぶのだろう。
もうそれしか俺に出来ることは残されていないのだから。

この手にかかった者たち(おまえを含めて)の代わりに、戦争の先にあるものを
見極めることが、きっと生き残った俺に与えられた役割なんだろう。


じゃあ、またな、エリック。
今度は、空の、そのまた上で会おう。

                                                       204x.5.29 Yag.

1999.5.29 All words are written by S.Aoyagi,inspired by AC3.
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